函館市営バス特集 其の二

 知ってる人は知っている、知らない人はこれを見て知って欲しい函館市営バスの凄い所をまとめてみました。

 普段なにげに乗っていた、あるいは見ていた車両ですが、
函館市営バス独自の装備や、標準メーカー物と思わせておいてぢつは函館市営バスのアイデアで標準装備になったものなど数多くあります。
ここではそれらの装備のほかに、それ以外の装備品、函館市営バスの特徴なども載せていきます。

2001年初秋の昭和営業所

☆★ 車掌席 ★☆
 全国的にみても現在も車掌席がある車両を導入している事業者は片手で数えられる程度ではないのでしょうか?(実際に調べたことはないので詳しいことは判りませんが)
その数少ない事業者のなかに函館市営バスも入っています。
車掌さんが乗務しなければならない路線などないように思えるでしょうが、実は1路線だけ車掌さんが乗務しなければならないあったりします。
それは函館山線。
急勾配・急曲線・狭い道・山頂の狭い駐車場等がその理由のようです。

 車掌席は中扉の後ろ(側面行き先表示器部分)に機器が配置されています。
左の画像はエアロスターの車掌席ですが、ピラー部に「連絡ブザー・放送装置(マイク)・中扉用の開閉スイッチ」がついています。
これらは運転席にある「ワンマン・ツーマン」切り替えスイッチを切り替えることにより使用できるようになっているため、通常は使用できないようになっています。

函館山線…現在は函館バスに移管されています。

 車内放送がそれまでのテープ式から音声合成式に変更になった時に車掌席にも手がくわえられています。
函館山登山道に入ったあたりからBGMが流れるのですが、音声合成式だと容量の関係でBGMが入れられずに、運転席に設置されている音声合成放送装置とは別に車掌席に函館山線専用のテープデッキが設置され、そちらでBGMを流すようになりました。
 函館山登山道にはいるあたりで車掌さんがBGMを流す為にテープデッキの操作をするのが見ることができます。

右の画像は107号車の車掌席。→

↑テープデッキ

☆★ 整理券発券機 ★☆
 函館市営バスの整理券発行機、他の事業者と同じように見えますが実は違います。
どこが違うのかといいますと、発行機の取り付け台に工夫がされています。
普通、整理券のロール紙を取り替えるのに多少なりとも手間がかかります。
それはなぜか? 発行機の蓋が正面からみて右側にあるからなんです。
右側ということは、発券機と車両側面の壁の狭い隙間でロール紙の交換作業をしなくてはならないと言うことになります。交換作業も慣れると狭くても問題はないでしょうが、でも広い方が作業しやすいはず。
と、いうことで函館市営の整備の方のアイデアで回転台座を発案、実用化されました。

 下の画像が実際に回転させてみた物を撮した所です。
回転させて発券機の開口部分をステップ側に向けた状態でロール紙を交換したほうが、断然作業効率アップ!! 交換のほかにメンテナンスもらくらくになりますよね。
ちなみにこの回転台座(?)、発案者である函館市営バスの他にジェイアール北海道バスでも全車ではないですが一部車両に搭載されているとのことです。

 回転台座のほかにも装備が…
それは発券機上部に付いている取っ手です(↑上画像参照)。
「なにが珍しいの?」と思われるかもしれませんが、取っ手の付いている発券機を使用している事業者さんってそんなに多くないとのこと。これは標準だとついていない物なので。

 函館市営ではなぜつけているかというと、整備時に取り外し持ち歩く際に片手でも確実に持てるようにとのことから取り付けたそうです。
見た目は小さくてもかなりの重量がありますからね。

通常はこの状態
台座部分のロックを外して約90度回転
そして蓋をあけロールを取り替える

☆★ コーナーリングランプ ★☆
 このコーナーリングランプも函館市営バスの特注品でした。
ブルーリボン・エアロスター共に平成4年車から取り付けられました。
現在ではメーカー標準でついている車種がほとんどですが、この当時はオプションでもない時代。夜間時の視認性を確保するために取り付けられたようです。
 この形に決まるまでにはすんなりと行かなかったそうで、バンパー上部にフォグランプを角度をつけて取り付ける案(長崎バスのような感じ)などがあったようですが、最終的にはこのような形になったとのこと。
↑はエアロスターのコーナーランプ。
ランプ自体はエアロバスなどのバックランプ灯と同じ物が使用されています。

←はブルーリボンのコーナーランプ。
こちらは市販の補助灯を使用しているみたいです。穴の開け方が如何にも特注の為手作業でつり付けたといった感じです。
本来であれば穴の周りにカバーがつくのですが、この車両は付いていません。


☆★ 高出力車 ★☆
 函館市営バスは函館山線があるために、高出力車の割合が非常に高いと言うのも特徴の一つです。
2001年3月(日吉営業所移管直前)の段階では81台在籍していましたが、なんとその中の32台が高出力車だったりします。
これだけ高出力車の割合が高い事業者も珍しいです。
 高出力車は全長が標準出力車と比べると若干長いため、車体長でも見分けることができます。室内も座席が扉側が一人掛け、運転席側が二人掛けとなり座席数が多めになっています。
←三菱車(MP6(2)系)高出力車の特徴であるエンジンリッドの膨らみ。標準出力車よりもリッドが膨らんでいる分バンパーも出っ張ってきています。

 三菱の高出力車すべてに「TURBO」のエンブレムがついているわけではありません。